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2010年12月14日 (火)

やれやれ

『ノルウェイの森』は言わずと知れた村上春樹の代表作。それを映画化すると聞いた時正直やめてくれと思った。

村上春樹の小説ならねじまき鳥とかハードボイルドワンダーランドとか小説としては完成度の高いものが他にもあるし、羊男3部作といった名作もある。でもやっぱり春樹の小説の中で少し特別なのはベタでもノルウェイの森なのは今でも変わらない。

映画を観にいこうと思ったのもほぼ「怖いもの見たさ」。原作の小説に思い入れがある以上、どんだけ贔屓目にみても「小説とのギャップがどれだけあるか」の判定しかできないと最初から思っていたから。

そんな視点で感想を書くことにする。←最初から肯定的に観ていない(笑)

それと限られた2時間という枠だからしょうがないという意見も除外する。

構成に関して

小説の冒頭、ルフトハンザ機の中での場面、緑のうちで火事を見ながらビールを飲む場面、ワタナベと緑の父親とのからみ、レイコさんとの直子の音楽葬がないこと。これがすべて致命的。ルフトハンザ機の中での場面はほぼこの小説の主題(もちろん色々なテーマがある)を提起している部分だし、「私のこといつまでも忘れないで」という直子の言葉の意味を表現する為には絶対に必要な場面。緑、レイコ関係は後述。

性描写に関して

(実際はよくわからないけど)15分に1回はセックスかセックスを連想するシーンか台詞が出てくる。原作では映画で観るよりもより生々しい描写だ。しかし小説中は常に死と隣り合わせの雰囲気の中だからこそよりいっそう性というものが生の象徴となっているように感じているから生々しい表現でもそれほど僕は不快には思わなかった。映画中ではそのあたりのバランスがまったく欠如していて、最後には露骨すぎて不快感すら感じた。別に僕はセックスが嫌いではないんだけど(笑)

直子、緑に関して

何故主人公のワタナベが直子、緑に惹かれて行ったのか、そのあたりの描写が欠如していたように思える。それゆえに何故主人公がメンヘラの直子に執着しているのか、緑のどこに惹かれているのか提示不足過ぎて、極論すると2又かけてますよー的な感じに受け止めかねない。直子との再会後、東京の街をあてもなく歩くシーンで直子との距離感を説明するのに十分、という人もいるかもしれないがただの映像遊びにしか見えなかった。緑に関してもただ小説中の台詞を使いまわしでやり取りしているだけでお互いが惹かれあうエピソードが欠落している。何故緑が料理うまくなったのか、所見のワタナベが脳腫瘍で闘病中の緑の父親にきゅうりを食べさせることができたか等。あーなんかうまくまとめれてない。

ハツミさん、突撃隊

この映画、突き詰めて考えたら永沢さんもハツミさんもあんな感じの登場ならいらないのかも、と今は思う。でも出すならハツミさんとのビリヤードのシーンはキヅキとの接点もあるから必要なはず。突撃隊の出し方、ひどすぎる。小説読者以外まったく理解できなかったのではないか。「スエズ運河」のくだりも。

レイコさん

映画中では直子が死んだあといきなりワタナベのうちに来て「セックスをするべき」とか言って、ワタナベは「ほんとにするんっすか?」とか引き気味。原作では直子の死や葬儀をきちんと自分の中で消化できていないワタナベとレイコさんが、レイコさんのギターの弾き語り50曲することで区切りをつける大事な場面を経た上で自然とお互いが求める。あんな表現じゃレイコさん、ただセックスしにワタナベのうちに来ただけ・・・そしてやっぱり音楽葬はかなり意味のあるシーンだと思うんだけどね。

結論、これはノルウェイの森のイメージ映像。

うまくかけてないトコは訂正するかも。

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コメント

まだ見てませんが、いっそ村上春樹渾身の「官能小説」書いてくれたらなと、フト思いました。
村上ワールドの中だと、「ピンボール」の映画化希望。

投稿: ローラー男 | 2010年12月14日 (火) 10時07分

ローラーあにき、こんにちわ。
官能小説を書いたら大ベストセラーでノーベル文学賞がずいぶん近づいてくるでしょう(笑)
ピンボールの方が映画化しやすいでしょうね。羊をめぐる冒険と繋げて。

投稿: しお | 2010年12月14日 (火) 13時38分

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